化粧水のエタノールとは?髭剃り後にしみる40代男性へ、入っている理由と確かめ方

化粧水のエタノールとは?髭剃り後にしみるとき、入っている理由と確かめ方 成分・処方

髭剃りのあとの化粧水がしみると、こんな疑問が浮かぶことはありませんか?

  • 化粧水がしみるのは、エタノールのせい?
  • 成分表に「アルコール」とあるけど、肌に悪いの?
  • 「アルコールフリー」を選べば安心?

私は化粧品会社で約13年、皮膚の仕組みや、肌をより良い状態に保つための研究をしてきました。その中で、化粧水に入っている成分の知識もあります。

この記事でわかること

  • エタノールとアルコールの違いと、成分表での見分け方
  • エタノールが化粧水に入っている理由と、しみることとの関係
  • 髭剃り後にしみるとき、原因を自分で確かめる方法
  • 「アルコールフリー」表示の見方と、化粧水選びのポイント

肌の状態も体質も、人それぞれです。だからこの記事は、あなた自身が判断するための情報をお伝えします。読み終わるころには、化粧水の成分表を見て、エタノールのことを自分で理解し、判断できるようになっていてほしい。そのつもりで書きました。

化粧水のエタノールとは?アルコールとの違いと成分表での書かれ方を解説

エタノールは、お酒や消毒に使われているアルコールと同じものです。ふだん「アルコール」と呼ばれているものの代表が、エタノールです。

成分表では、こう書かれます
成分表では、「エタノール」または「変性アルコール」と書かれます。薬用(医薬部外品)の化粧水では、「無水エタノール」「エチルアルコール」と書かれていることもあります。どれも、ふだん言われるアルコールの仲間として見て大丈夫です。成分表を見るときは、これらの名前を探せば足ります。

化粧水にエタノールが入っている理由は?作り手側の事情を説明

化粧水にエタノールが入っているのには、理由があります。化粧水は、使い心地、品質が保てるか、価格、法律の決まりなど、いろいろな条件の兼ね合いで組み立てられています。その中で、エタノールが入る理由としてよく挙がるのは、次の3つです。

溶かす役目
香料や植物のエキスなど、水だけでは溶けにくい成分があります。エタノールは、そうした成分を化粧水にまんべんなく混ぜる助けになります。

さっぱりした使い心地
すっと軽い感じは、ベタつくのが苦手な人に好まれます。さっぱり系の化粧水で選ばれることがあります。

品質を保つための補助
防腐剤の代わりではなく、補助的に役立つことがあります。

エタノールを入れない処方もある
溶かす役目をBGやグリセリンなど、別の成分に任せる作り方もあります。入れるか入れないかは、どんな使い心地を狙うかの違いで、どちらが上ということはありません。

化粧水を手に取ったら、「この製品は、どんな使い心地を狙っているんだろう」と考えてみてください。エタノールが入っている理由も、入っていない理由も、想像しやすくなります。

エタノール入りの化粧水がしみる原因になることはある?肌にどう働くのか

理由があって入っている成分でも、しみることには関わりうると考えられています。

エタノールの性質
エタノールは、水より蒸発しやすく、油とも水ともなじみやすい成分です。

肌につけたときの感じ方

  • すっと蒸発して、軽くさっぱりした感じが出る
  • 油になじみやすいので、肌の表面の皮脂を溶かすことがある。つけたあとに、つっぱる、乾いた感じがすると話す人もいる
  • 肌が刺激を受けやすい状態のときは、ピリッとした刺激として感じることがある

ただ、エタノールが入っていれば誰でもしみる、という話ではありません。入っている量や、ほかの成分との組み合わせでも、感じ方は変わります。同じ化粧水でも、しみる日としみない日があるのは、肌の側にも理由があるからです。

髭剃り後に化粧水がしみる理由は、成分だけでなく剃った直後の肌にもある

化粧水がしみる理由は、成分だけとは限りません。

剃った直後の肌は、刺激を感じやすい
髭剃りは、肌の表面に刃を当てる作業です。剃った直後の肌は、ふだんより刺激を感じやすくなっていることがあります。

化粧水の成分の性質と、そのときの肌の状態。この2つが関わっていると考えると、いつもの化粧水が髭剃りの直後だけしみる、という場面にも説明がつきます。

髭剃りをしない日で見分ける
髭剃りをしない日はしみないなら、剃った直後の肌の状態の影響が大きいと考えやすくなります。髭剃りをしない日もしみるなら、化粧水の側にも原因の候補があるかもしれません。

肌の「守る力」と、髭剃り後のケア
肌の「守る力」の話は、別の記事で詳しく書いています。

化粧水が染みる・保湿しても乾燥が続く

髭剃り後のケアの手順は、こちらにまとめています。

髭剃り後のヒリヒリ・乾燥、40代男が毎朝やっているケア

エタノールが原因か確かめる3つの方法

記憶と、成分表があれば、自分で確かめられます。

① エタノール入りの化粧水でしみたか、入っていない化粧水ではどうか
エタノール入りの化粧水でばかりしみるなら、エタノールは原因の候補として残ります。エタノールが入っていない化粧水でもしみるなら、ほかの要因も考えたほうがよさそうです。

② ほかの製品でも、同じようにしみたか
アフターシェーブやシェービング剤でもピリッとした経験があれば、成分表を並べて、共通して入っている成分を探します。

③ 成分表のどこに、エタノールが書かれているか
全成分表示は、配合量の多い順に並ぶのが基本です(医薬部外品を除く)。前のほうに書かれていれば、比較的多めに入っていると考えられます。ただ、量の少ない成分は順番が前後してもよい決まりなので、順番だけで量は決められません。

お酒に弱い体質は、関係ある?
お酒に弱いかどうかは、飲んだお酒を体の中で分解する力の個人差によるところが大きいと言われています。そして、お酒に弱い体質の人は、アルコールを含ませたガーゼを肌に貼ると、赤みが出やすいとされています(アルコールパッチテストという、簡易的な体質の調べ方があります)。

ただ、これは「赤くなるかどうか」の話です。化粧水がしみる感じと同じものかは、はっきりしません。お酒に弱いから必ずしみる、強いから大丈夫、とも言えません。

体質の話よりも、アルコール綿でピリッとしたことがあるか、赤くなったことがあるか、エタノール入りの化粧水で何度か続けてしみたか、という自分の経験のほうが頼りになります。

3つを重ねて考える
どれか1つで決めずに、3つを重ねてみてください。重なったところに、原因の候補が見えてきます。

この確かめ方は、エタノール以外の成分にも使えます。しみたら、ほかの製品と成分表を見比べる。これは、この先もずっと役に立つ方法です。

化粧水の「アルコールフリー」「ノンアルコール」表示は何を意味する?見方を整理

「アルコールフリー」も「ノンアルコール」も、エタノールを使っていない、という意味で使われることが多いようです。

表示が指す範囲は、製品ごとに違うことがある
何を指すかは、製品ごとの考え方による部分があります。すべての製品で同じとは限りません。また、アルコールフリーと書かれていても、しみる人はいます。しみる原因の候補は、エタノールだけではないからです。

表示を見たら、成分表でも確かめる
表示は、入口として使います。「アルコールフリー」とあっても、成分表で「エタノール」「変性アルコール」「無水エタノール」「エチルアルコール」が書かれていないかを、自分の目で確かめてみてください。表示を見て、成分表で確かめる。この2段階が、いちばん手がかりになります。

しみたあとの化粧水選び。売り場で成分表を見るポイント

成分表だけでは分からないことが多いので、見る順番を決めておくと、迷いにくくなります。

売り場で見る順番

  1. 「アルコールフリー」などの表示(入口として見る)
  2. 成分表に「エタノール」「変性アルコール」(薬用なら「無水エタノール」「エチルアルコール」も)があるか。あるなら、前のほうか後ろのほうか
  3. 髭剃りのあとに使える製品か、製品の案内

製品の案内には、使い方や注意が書かれています。それに従うのが、いちばん確実です。

「薬用」とあっても、エタノールが入っているものはあります。表示の読み方は、こちらで整理しています。

「化粧品」と「医薬部外品」は何が違う?

シェービング剤の成分も、同じ見方で読めます。

シェービング剤の成分、研究者目線で読むとこうなる

成分表だけで決めない
エタノールが入っていない化粧水でしみる人もいます。香料、清涼感を出す成分、防腐剤なども、人によってはしみる原因の候補です。

化粧水を変えるときのコツ

  • 変えるのは、一度に1つだけにする(洗顔料や髭剃りの道具はそのままにすると、しみ方が変わったのは何のせいかを見分けやすい)
  • 顔全体に使う前に、目立たない部分で少量試す方法もある
  • 使った日、髭剃りをしたか、しみたかを、スマホのメモに残す

数回分たまると、「この成分が入った製品でしみやすい」といった、自分のパターンが見えてきます。見えてくると、化粧水選びで迷いにくくなります。

化粧水がしみる症状で、皮膚科に相談したほうがよいときの目安

自分で確かめられるのは、ここまでです。次のような状態は、皮膚科に相談してください。

  • 強い痛みがある
  • 赤みや腫れが出ている
  • かゆみが強い
  • ブツブツや、ジュクジュクした状態になっている
  • 使うのをやめても、しばらく症状が続く
  • 同じことを何度も繰り返す

相談するときは
使っていた製品のボトルや成分表の写真を持っていくと、話が早く進みます。我慢して使い続けるのは、おすすめしません。皮膚科に行くのは、大げさなことではありません。

まとめ:化粧水のエタノールとしみる原因の見つけ方

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。難しく考えなくて大丈夫です。

エタノール入りの化粧水は、しみる原因の一つになることがあります。ただ、しみるかどうかは、化粧水の成分と、そのときの肌の状態の両方で決まります。

成分名だけで良し悪しは決められません。ほかの製品との見比べや記録で、自分の場合を確かめられます。「アルコールフリー」の表示も入口として使って、成分表で確かめてみてください。

今日からできること
しみた原因を、あとで自分で絞り込むための材料集めです。

  • 今使っている化粧水の成分表を、スマホで撮る(あとで別の製品と見比べるため)
  • しみたとき、髭剃りの直後だったかをメモする(成分か肌かを分けて考えるため)
  • 強い痛みや赤みが出たら、使うのをやめて皮膚科に相談する

しみる日が続くのは、本当につらいものです。でも、原因の見つけ方が分かると、むやみに怖がらなくてよくなります。あなたの肌のことをいちばん近くで見られるのは、あなた自身です。その力が、この記事で少しでも付いたらうれしいです。

著者:もぐ|元化粧品研究者
化粧品会社で約13年、保湿・バリア機能・美白・シワの研究に携わる。ヒト肌での水分量や刺激反応の測定などを担当。40代の当事者として、自分の肌で確かめながら「断言せず、考え方を届ける」スタンスで発信しています。

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